金融機関で見かける「遺言信託」と家族信託は何が違うのでしょうか?

信託法によると、遺言信託とは、「特定の者に対し財産の譲渡、担保権の設定その他の財産の処分をする旨並びに当該特定の者が一定の目的に従い財産の管理又は処分及びその他の当該目的の達成のために必要な行為をすべき旨の遺言をする」ことです(信託法第3条第2号)。  

信託を行う場合、委託者と受託者の間で信託契約を結ぶ方法が一般的ですが、委託者が遺言によって受託者に信託をお願いすることもできます。これが、法律的な意味での遺言信託です。  

一方、金融機関で見かける「遺言信託」は、金融機関が遺言書作成の相談、遺言書の保管、遺言書の執行まで相続に関する手続きをサポートするサービスの一種であり、通常の遺言と違いがあるわけではありません。
正確には「遺言書信託」であり、法律的な意味での「遺言信託」とは関係がないのです。

そして、家族信託は「信託」そのものです。

「家族信託」を行った場合、金銭・不動産等、様々な財産の信託を行うことができます。信託銀行で信託を行う場合、銀行である以上、原則金銭の信託が中心になりますが、「家族信託」はその枠にとらわれることはありません。信託銀行では対応困難な不動産・未上場株式を、家族が「受託者」として預かり、委託者の財産管理や節税対策を行うことが可能です。