家族信託を活用して素行の良くない子から財産を守った事例

ご状況

愛知県内にお住まいのAさん(性・50代)からのご相談です。

Aさんは2人兄弟の弟です。

兄はAさんの父(80代)に対してお金の無心を続けこれまで多額の金銭を貰い受けています。

その状況を知ったAさんは、ご自身の相続分が無くなる心配に加え、父の老後資金が枯渇してしまわないようにしなければと思い相談に至りました。

信託の提案内容

受託者:Aさん

信託財産:父の全財産

帰属先:Aさん

父の財産のすべてを信託財産とし、Aさんが必要な範囲で父の為に管理することにより、父による自身の財産を処分することを実質出来なくさせてしまいます。

また、帰属先をAさんにすることにより、残った財産を確実にAさんが引き継ぎます。

Aさんが父に代わって財産を管理することができるようになる

家族信託を行うメリット

父も、長男の頼みであるため断り切れず応じていたところもあり、必ずしも本意ではなかったため、かつ、老後の面倒を診てもらうのがAさんであることも承知していたので、Aさんの信託の提案にすんなり応じて頂けました。

このように、信託をすることにより委託者(父)の財産はすべてAさんの管理下にな父の一存では処分することができないため、財産を守るためにも非常に有効な手段になります。

尚、相続分の確保というところで遺言書を書いて貰うということも有効ですが、Aさんの場合、父が生前に財産を処分してしまってはありません。

家族信託は帰属先も設定できる性質があるため、財産を守り、かつAさん自身が確実に引き継ぎができるよう、遺言書としての役割も兼ねさせることが可能です。

この場合、信託財産は相続の手続きとは別になるので、兄の協力が必要になることもありません。

家族信託は遺言書のように活用することもできる