遠方に住む親族の信託

状況

愛知県内にお住いのAさん（女性・５０代）からのご相談です。

Aさんの父が遠方で一人暮らしをしていて、

その財産管理も父自身がしていますが、

父も８０歳を過ぎ、

その管理や将来不動産が空き家になるリスクについて心配ということでした。

また、相続を考える上で、弟が父の近くに住んでいるが仲が悪く、

将来揉めてしまうのではないかと、そちらの心配もありました。

Aさん自身、せめて後者の悩みだけでも解決しようと、

父に遺言を書くように促したくて相談にいらっしゃいました。

Aさんは信託についても少し勉強されていて、

財産を預り管理するというところで、

遠方にある父の不動産を責任もって管理ができないし、

もちろん弟には任せられないと考え、

信託は難しいという判断をしていました。

信託のご提案内容

★受託者

　Aさん

★信託財産

　・預金、不動産

★受益者

　Aさんの父

★帰属先　

　Aさんとその弟

それでも、信託をするメリットは大きいとお伝えし、信託を提案しました。

家族信託を行うメリット

まず、財産を管理するというところで認識を変えていただく必要がありました。

信託で名義を管理するとは、

その権利において決裁をしていくことと認識していただきました。

もちろん、不動産の管理と言えば掃除でしたり修繕でしたり、

様々ありますが、信託において得られる権利は不動産売却や担保設定など、

権利にまつわる役割が大きく、実際空き家になる、あるいは運用するといった、

処分活用部分につき対応が可能になるところに重要な点があることをご理解いただきました。

必ずしも、不動産を物理的に管理、

あるいはしっかり近くで状況を見届けることが出来ないと信託が組めない、

責任が果たせないと考える必要はありません。

且つ、遺言の役割を果たす帰属先の指定で、

弟にも帰属させることで揉め事を未然に解決し、

遺言を書くということもせず、

父にとっても負担が最小限な形で対策をすることができます。

このように、遺言や信託などの生前対策は、実際にご相談いただければ、

違った認識のものだったり、実は柔軟な対応が可能だったりします。

特に信託は、委託者と受託者の契約による対策なので、

専門家へご相談いただければより充実した、

状況に即したご提案をさせていただけるものと存じます。

少しでも気になった方はぜひ、弊所の無料相談をご利用ください。